M o m e n t s
























想いは確かに、繋がり合っていた
























「凄い数だね〜」



そう言って柚菜が指したのは沢山のキャンディ。

それはこの前、私が好きだと一樹に言ったキャンディであった。



「うん、買ってきたんだ」



そう言ったのは一樹。


確かに、確かにこのキャンディは好きだ。

しかしこの量は多すぎではないだろうかと言う程あった。

両手で抱え込んでも一回では持ちきれないだろう。

その量のキャンディを目の前にして、一樹はニコニコしている。



「…なんで?」



帰ってくる答えは予想出来るけど

一応聞いておかなければ。

すると一樹は柚菜の予想を裏切りもせずに答える。



「柚菜が好きだって、言ったから」



やはり……

その答えを聞いて柚菜は溜息をつく。

そして重々しく口を開いた。



「好きって…確かに好きだけど、こんなに食べきれないよ」

「あ…」



そう言うと一樹は気付いたような表情をする。

こいつ…気付いてなかったのか。

そう思ってまた溜息。



「どうやって食べるのー?」

「うーん…」



暫く考え込んだあと、一樹は思い付いたように笑みを見せ、口を開く。



「一緒に食べよ!」



バカか、こいつ…

そう思うのも無理はないと思う。

暫く考え込んだ結果がこれだ。

そんな考え、3秒で思い付く。なのに一樹は…



「うん、そうしよう!!」



自己完結デスカ…。

そう思ってまた溜息。こいつと居たらいつも疲れるなぁーなどと心の中で呟く。

でも付き合ってるんだよねぇー…などと考えていると

突然、一樹の顔が目の前に来る。



「うぇ?」

「口開けて」



そう言われたと同時に、無理やりにも口の中に何かを入れられる。

なんだ?と思ったと同時に口に広がった甘さ。



「…入れたな」

「美味しいでしょ?」



そう言って一樹は自分の口の中にもキャンディを入れて、笑みを見せる。

その笑みは無邪気で、綺麗で。



( やっぱ…好きだなー… )



貴方の事。

世界で一番好き。



「う、ん」

「だよねー」



つうか、これが美味しいって教えたの私だよ。

心の中で呟く。

でも、一樹の笑顔が愛しすぎて、そんなのどうでもよくなってくる。




大好き




「これ、本当に美味しいし!!もっと買えば良かったかなぁ?」

「おいおい…」



これでも十分多いでしょ。

そう言うと、一樹は私を見て、言う。



「そう?」

「うん、いっぱいあって嬉しすぎるくらい」

「本当!?」



一樹の笑みは更に強まる。

そして…



「良かった、喜んで貰えて。凄く嬉しい」
























やっぱり


大大大好き
























心が焦げ付いて

焼ける匂いがした

それは夢の終わり

全ての始まり



























シリアスの予感です…。
でも最終的にはハッピーエンドになりますのでご安心を。
最後まで付き合ってくださると幸いです。

いつでも感想をお待ちしております((´∀`*))