M o m e n t s 幸せは 脆く儚く ガラスのように粉々に壊れてしまう 「登山?」 「うん」 いきなり何を言い出すかと思えば、「登山をしよう」だ。 何を色気のないことを言うのか。 「どうして?」 「どうしてって…興味があるから。あとデート」 デートかよ…。 もっと遊園地とか公園などカップルが行くような所が良いと思うのが 私の本音だ。 「どうして…突然」 「この前、テレビで見て面白そうだなぁーって思って」 相変わらず影響しやすい奴だなぁーっと思っていると 一樹が不安そうに私の顔を覗きこむ。 「いや?」 「んー…良いよ」 そう言った瞬間、一樹は花が咲き乱れるようにクシャリと笑う。 「本当!?」 笑顔が、綺麗で、綺麗で。 コイツの笑顔が私は好きで、私もつられるように笑う。 「一樹と一緒なら、何処に行っても楽しいし」 この言葉には、偽りはない。 一樹と一緒に居れば、どんな所だって楽しくなる。 いつまでも、いつまでも一樹と一緒に居たいと思うくらい。 「やったぁー!」 はしゃぐ姿が、愛しくて。 「柚菜好きぃー!」 ぎゅっと抱きしめられた。 私の温度はいっきに上昇。 「ちょ…」 柚菜は抵抗しようとするが、一樹は興奮のあまり、更に抱きしめる。 抱きしめられる力が強くなるほど、一樹の体温が柚菜の体に伝わって。 柚菜は顔を赤く染めた。 恥ずかしい、と。 でも 凄く暖かい。 「来週の日曜日に行こうよ、バイトも何もないし!」 「…うん!」 幸せの歯車が 狂い始めた *** 「ちょっと早いってば!」 「早く早く!!」 お前は子供か。 そう思うほど早くスタスタと険しい山道を一樹は上っていく。 その様子は柚菜だけでなく、他の登山客も驚くほど。 「もー…早いってば…」 そう言って額から出た汗を拭って上を見ると、本当に楽しそうな表情をした一樹が こちらを見て笑っている。 本当に、本当に不思議だ。 一樹の笑みを見ていると、こちらまで楽しくなってくる。 「は・や・く!」 「はぁーやぁーい…」 一樹は待ちきれないのか、「先に行ってるからね」と言って前を歩き始める。 彼女を待つとかそう気遣いはないのかと思うけど やっぱり一樹の笑みを見たら恨めなくて。 ズサッ 中途半端なところで区切ってしまいました…。 申し訳ない(;´Д`)ゞ 気付いた人は分かると思うんですが この話は浜崎あゆみの『Moments』って曲からとった歌詞を 所々付けちゃってます(汗)興味で(おい) こんな駄目小説ですが、感想くれるなら喜びますw